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民主党の大罪を問うノンフィクション「亡国の宰相」

亡国の宰相―官邸機能停止の180日亡国の宰相―官邸機能停止の180日
(2011/09)
読売新聞政治部

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1ヶ月以上かけてようやく読了。
当時は政府の不甲斐なさと、東電の対応の不誠実さに怒りを覚え、
とても冷静でいられなかった。
しかし震災から一年が過ぎ、
冷静な視点から当時の国政を見直してみたいとの思いから読み始めた。

そしてやはり感じるのは、菅直人の無能さだ。
徹底的に官僚を遠ざけ、東電を信用せず、
己の信頼できるごく少数の人間だけを周りに侍らせ、
根回しもせず、他者からは思いつきにしか見えぬ唐突さで政見発表をする。
政治家としてというよりも、普通の会社内ですら許されぬような暴挙の数々には
やはり失望を禁じ得ない。

そして私が当時からずっと抱き続けてきた疑念にも
ひとつの回答を得られたことは幸運だ。

あの頃、国民はすべて東電を敵視していた。憎んですらいた。
特に東電幹部は、福島原発から逃げ出してすべてを自衛隊に押しつけようとしていた。
菅直人は、そんな東電幹部を一喝してみせたのだ。
このことは当時のニュースで繰り返し報道されたのでご存知の方も多いだろう。

つまり菅直人の感情は、極めて私たち国民に近いところにあるように感じる。
自民党のような官僚主義ではなく、小沢派のような中華思想でもない。
国民を蔑ろにするわけでもないし、国民と同じように東電に怒りを抱いてる。
理念や理想は私たち一般市民と同じものを抱いてるように見えるのに、
どうしてこれほどまでに復旧・復興がままならないのかがとても疑問だった。

だが本書を読んで解答を得ることが出来た。
一言で言ってしまえば、彼は無能だったのだ。
理念や理想は立派なものだが、それを実現するための事務能力や人心把握、根回しといったことを一切やらなかった。
行政の知恵袋とでも呼ぶべき官僚を信用しなかったがためにまったく官僚を使わず、
すべてを官邸だけで処理しようとしたために、
復旧復興処理は遅々として進まなかった。
なるほど、それでは当時の混乱もむべなるかな、といった印象だ。

理念を持たない政治家ほど質の悪いものはない。
だが無能な人間を首脳に据えてしまうことほど混沌とするものはない。

この180日間はそういった教訓を得たと呼ぶには、
あまりにも多くのものを失い、大きすぎる痛みを伴う政治空白だったと言えるだろう。

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