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狂気にも似た愛を貫く少女の物語「"文学少女"と飢え渇く幽霊」



最近、家の中で服を着るのが面倒になってきました。
局所的に文化度が著しく落ちてますが、今日も元気です。






野村美月の「"文学少女"と飢え渇く幽霊」を読んだ。面白かった。

1巻では人間失格を題材に物語が綴られていましたが、
今回は嵐が丘を題材にシナリオが展開されていくこの2巻。
相変わらず美羽というのが誰なのかとか、なぜ遠子は本を食うのかとか、
そこら辺の妖怪じみた謎は一切触れられずに終わってしまうわけですけど、
それら根本的な謎は「絶対に明かされない物」と割り切って読んでしまえば、
これほど極上のエンターテイメント作品はないでしょう。

100ページほど読んだところで、
冒頭の幽霊騒ぎが何てことのない別人のいたずらだとわかったときには
文庫を壁に投げつけてしまいましたが、
その「別人のいたずら」という伏線回収ポイントですら、
クライマックスへの伏線でしかなかったとわかるシーンでは
もうホント鳥肌ものですよ。

1巻でも、嵐のような激しさで物語が展開して、
新たな謎とその回収が凄まじく短い周期でサイクルして、
読者は本を置くタイミングを見つけられないまま
ラストまで読み切らせてしまうと言う物凄い構成力を見せつけましたが、
今回の「飢え渇く幽霊」でもそのプロットの妙は健在で、
特にクライマックスでの感情のぶつけ合いは正に見事の一言。

悲劇。
この物語を表現するのにこれ以外の言葉は全てが蛇足となるでしょう。
想いはすれ違い、恋慕は憎悪へ変貌し、悲哀は殺人へと駆り立てる。
ただただどうしようもなくて、自分の心と運命を真正面から見つめるのが辛すぎて、
心を壊してしまった少女の、余りにも悲しすぎる物語。

少女に救いはあったのか、遺された人は救われるのか、
嵐のような激しさで己の運命を燃やし尽くした少女と、
その嵐に翻弄され続けた男性達。

ラストでは明確な回答は描かれません。
ただただ感傷的で、哀愁に満ち、胸が裂けるようなエンディングが残されるだけです。
しかし、だからこそ、たった一人の少女の人生を描ききった本作は、
読み終えた後にも読者の心に残り続けるのです。

面白かった。本当に面白かった。

1巻も素晴らしい面白さでしたが、この2巻も半端ない出来映えでありました。
遠子先輩の萌えと、狂おしいほどの愛憎劇、
そしてズタズタに巻き込まれるほどの凄まじいプロット構成力を見たい人は、
是非是非読んでみることをオススメ致します。



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