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初音ミクSS「君の心は、そこにある」第一章~蜜月~

正徳十九年(二○○七年)十二月二四日(月)[2]



「ねぇ、ミク」

星登が語りかける。

「実を言うとさ、僕はミクの笑顔が見たいんだ」



「な、な、な・・・!」



狼狽するミク。

星登の真意を掴み切れていないことが見て取れる。



「僕はねミク、今日という特別な日には、ミクの笑顔と一緒に過ごしたいと思うんだ。

 クリスマスというものはさ、日本中が浮かれ騒いで、

 みんなでわいわいと心から楽しむことが許される日なんだよ。

 そんな日に、僕ら二人だけいつもと同じように、

 変わらない日常を過ごすなんて何だか勿体ないじゃないか?

 少なくとも僕は、ミクと二人で、心から今日という日を楽しみたいと思っているんだよ」



ミクは黙って聞いている。

食器を洗いつつ、星登に背を向けて。



「僕は『二人で』楽しみたいんだ。

 だからさ、君には笑顔でいてくれないと困ってしまうんだ。

 この意味、わかるかい?」



そこでミクは、ようやくちらりとだけ視線を向けた。

手は食器を洗いながら、しかし表情には疑問符を浮かべながら。



「君には、僕を楽しませて欲しいんだ。

 そして、僕を楽しませている君自身も楽しんで欲しい。

 二人がそうやって心から楽しむことができれば、

 とても素敵なことだと思えないかい?

 自然と笑顔が零れるし、気分だって高揚してくる。

 だからさミク、僕を楽しませられる自信があって、かつ君自身が楽しめる自信もある、

 そんな最高の場所をぜひ僕に提案してほしいのさ」



そこまで言うと、ようやくミクは長かった食器洗いを終えて、水道の水を止めた。

部屋を唐突に包み込んだのは、緊張感を伴わず、

幾ばくかの期待を抱かずにいられない、蒼色の静寂。



しばしの沈黙に身を沈めた後、ミクはそこからゆっくりと浮上してきた。



「・・・・・・わかりました。

 それでは僭越ながら、ぜひ星登さんと一緒に行ってみたい場所があるのですけど、

 ・・・・・・よろしいでしょうか?」



「ああ、勿論だよ。

 ぜひその場所を教えてほしいな」



ミクがその場所の名を告げる。

それを聞いた星登は唖然としてしまった。


初音ミクSS「君の心は、そこにある」十二月二十四日[3]


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