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荒唐無稽でありながら哀切漂う物語「アヒルと鴨のコインロッカー」




伊坂幸太郎の「アヒルと鴨のコインロッカー」を読んだ。面白かった。

先日「オーデュボンの祈り」を勧めてくれた
マイミクのTAKEXさんに続けて勧められたがゆえに読み始めたのですけど、
いやはや、やはり推奨されるだけあって素晴らしい面白さでありました。

本屋を強襲し、広辞苑を奪ってくるという強盗計画を実行する主人公。
エキサイティングなのか間が抜けているのか
いまいちよくわからないテンションで始まるこの物語。
しかも主人公はモデルガンを構えながら裏口で待ち構えているだけ。
店員を見る事も、品物を物色することもなく、
ただ裏口でボブ・ディランを歌うだけ。

なんとも緊張感に欠けた強盗シーンではありますが、
読者も主人公も、この強盗にどういった意味があるのかを
まったくくみ取る事が出来ずに、
ただ淡々と物語は綴られていきます。

物語は強盗を行う「現代」と、
強盗をそそのかした河崎の過去を描く「二年前」の二部構成からなる本作。
これら二つの物語はまったく互いの関連性を見せないまま、
独立した、ねじれたベクトルを思わせる構成を維持したまま
ストーリーは進んでいきます。

しかし小説を7割ほど読み終えてから、物語はガラリとその様相を変え、
張られた伏線があれよあれよと恐るべき速度で一点の真実へ収束し、
二つの物語はたったひとつの悲しい物語へ変貌を遂げるのです。

その、読後感。

清々しいと言うには、余りに痛切な哀愁を抱かせる結末。
それぞれの胸に去来する想いの固まりは、
時代を超えてそれぞれの行動へ駆り立てるものの、
しかし最後に訪れた結末は、
果たして彼らにとって本当の意味で納得のいくものであったのかと、
読者に痛切な感懐を抱かせずにはいられないのです。

いやぁ、面白かった。

二部構成の物語も、
それらが一本の線で繋げられていく見事な構成力も、
愁嘆と言うには大げさかも知れませんが、どこか人を食ったような結末。

良質のミステリー。
自信を持ってそう言える、素晴らしい小説でありました。
オススメ。




コメント返信~。

>どんさん
オイラの読書感想に少なからない影響を受けてくださっているようで、
感激の極みでありますよ。
んでここんとこ勉強一筋で、本気でSSは一行も進めていませんw
まぁ来週あたりから書き始められると思うので、
そのときにまた宜しくですよ~。

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缶さんのせいで就活後は本の虫になりそうですよ
それはもう人間との交流を遮断してしまうくらいにww

勉強お疲れ様です♪ゆっくり休んで、回復をした上でSSのほうも頑張って下さい^^
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