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初音ミクSS「君の心は、そこにある」第四章~兇行~

正徳二十年(西暦二〇〇八年)七月二十七日(日)[8]


(誰……?)



紺色の頭髪、長いマフラー、白地に青のラインが刺繍された制服。



(まさか……!)



それはトシヤだった。

その残酷な姿は、恐るべき暴力をその身で浴び続けたことを示していた。

視点の定まらぬ瞳は虚空に浮かび、顔面の人工皮膚は痛々しく裂けられて、

そして……、ああ、何と言うことだろう!

トシヤの左腕は無残に引きちぎられ、ズタズタになった電磁筋繊維が断面からだらりと垂れ下がっている。



トシヤの姿はまさしく破壊そのものであり、間もなく自身が迎える未来の姿であった。



怖い。

恐ろしい。

助けて。



ミクの胸裏は純然たる恐怖に占められ、間断なく襲い来る戦慄に全身を強ばらせた。



ピアスの男がミクの顔を覗き込んでくる。



恐怖。

恐怖。

恐怖。



ミクは余りの恐ろしさに視線を逸らすこともできず、値踏みするような男の視線を真っ向から受け止めた。



「おいイツキ、もしかしてこいつもアンドロイドじゃねーの?」



ピアスの男が言う。

その声音にはいくらかの落胆が乗せられていた。



「マジかよ。じゃあヤれねーじゃん。こっちはヤる気満々だったのによ」



次いで肥満の男が不平を漏らす。



「バカ、お前らよく見ろよ。こいつ<初音ミク>だろ」



「はぁ? だから何だよ」



「知らねーのかよ。こいつらだけはアンドロイドなのに、ちゃんとセックスの機能も付いてんだよ」



そこまで言われれば、恐慌を来したミクといえども彼らの目的を理解できた。



……犯される!



しかし事態を悟っても、ミクの恐怖は変わらない。

むしろおとなしく犯されれば、殺されずに済むかもしれないという安堵の方が勝った。



「だから何だよ。いくらヤれるっつったって、アンドロイド相手じゃ立たねーだろフツー」



ピアスの男が吐き捨てるように言う。



「そうか? 俺はイケるぜ」

肥満の男が言う。

「こんだけカワイイ顔してれば問題ねーって。

 つかこいつマジ怖がってんじゃん。やっべすっげー燃える」



「うわ、ユウキってばマジ鬼畜」



ピアスの男がゲラゲラと笑う。



「おいハル、お前ヤらねーんなら見張りでもしてろよ。俺らはこいつ使ってっからよ」



へいへいと呟きながら、ハルと呼ばれた男は扉の外へ出て行く。



「おい<初音ミク>、お前そこの壁に手ぇついてケツこっち向けろ」

ミクを羽交い締めにし、イツキと呼ばれた男が言う。

「まぁわかってっと思うけど、大声出したらマジぶっ殺すかんな」



低い声で一層の凄みを利かせながらミクを脅しかける。

だがミクにおいてはそのような脅迫をされずとも、

あまりの恐怖に吐息のような囁き声しか出せずにいた。



初音ミクSS「君の心は、そこにある」七月二十七日[9]へ

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