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初音ミクSS「君の心は、そこにある」第四章~兇行~

正徳二十年(西暦二〇〇八年)七月二十七日(日)[9]


ミクは、殴らないで、殺さないでと、弱々しく呟きながらおとなしく指示に従う。



スカートをたくし上げられ、下着を乱暴に引き下ろされる。

抵抗はしなかった。

いや、できなかった。

床に這いつくばるトシヤの姿が鮮明な死の象徴となって、ミクの気力を完全に削いでいたのだ。



そして男が入ってきた。



引き裂かれたような痛みに絶叫をあげる。

しかし男からの暴力はなかった。

どうやら実際には力ない呻き声しか出なかったようだ。



「おい、どうだよ。気持ちいいだろ?」



背後の男が話しかけてくる。

だがそんな問いかけに答えられる余裕などなかった。

体内を蛇がのたうっているような嫌悪感と、股間を蟲が這い回っているような不快感に耐えながら、

ミクにおいては、早く終わって欲しいという思いだけがあった。



シャツの裾から手を差し入れられ、胸を乱暴に揉みしだかれる。

全身をまさぐられる。

男が小刻みに動く。



「おい、俺の舐めろよ」



肥満の男が傍らに立って逸物を突きだしている。

ミクは指示に従う。

口に含む。

苦い。

エグい。

気持ち悪い。



手にはざらついたコンクリートの感触。

見上げれば換気扇。

微かに覗く月光。

壁の向こうから伝わる自動車のエンジン音と、革靴がたてる乾いた足音。



途端、ミクは実感した。

壁一枚を隔てて、日常と地獄とにハッキリと区分けされている現実を。

この壁の向こうには、ミクも見知っている当たり前の日常が今でもたゆたっている。

しかし今のミクはどうだ。

見知らぬ男二人に囲まれ、死の恐怖を目の前にちらつかされながら、

ただ男たちの欲求に応えるより術はない。

そしてもし彼らの機嫌を損ねるようなことがあれば、ミクを待っているのは破壊という圧倒的な暴力だ。



やがて背後の男の呼吸が乱れてくると、おいイクぞと囁いて、動きが止まった。

射精されたのかと、ミクは他人事のように考えていた。

男の逸物が引き抜かれ、ぬるみが太ももを垂れ伝っていく。



「よし、じゃあ次俺な」



肥満の男が背後に回って、新たな痛みがミクを襲った。



まるで現実味のない感覚。

男に弄ばれているのは別人なのではないか、

本当の自分はどこか別の場所にいるのではないかという、

逃避にも似た浮遊感がミクの中にあった。



真っ暗な、饐えた匂いが充満する中で、ミクの身体は硬直するばかりだった。

感覚も、情動も、何も無かった。

あるのは痛みだけだった。

何かの間違いだと思いたかった。

そして早く終わって欲しいという痛切な願望があった。

しかしそう思う一方で、この行為が終わった後、自分はどうなるのだろうかという恐怖と不安があった。

早く終われという願望と、殺されるかもしれないという恐怖。

二つの相反する情動がミクの胸でどろどろと渦巻いていた。



低い呻き声を上げて男性の動きが止まり射精した。

肥満の男はしばらく息を整えると、ミクの中から滑り出る。

ようやく終わった。

助けて。

安堵と不安が交互に押し寄せる。



そして二人は逸物をしまい込んで、外にいる男に声をかけた。



「終わったぞ」



「おう、んじゃ行くか」



扉が閉められる。

三人の遠ざかる気配。

残された闇。

そうしてしばらくしてから。



(助かった……)



安堵がミクを包む。

緊張が全身から抜けていく。

膝に力が入らず、その場にぺたんと座り込んでしまった。

その反動で、男たちの残したものが床に流れ出し、青臭い匂いがむっと鼻をついた。

ミクは自分でも驚くほど冷静に、それをポケットティッシュで拭った。

何故かスカートにもぬるみがこびりついていた。

どうやら男たちは、行為を終えた逸物をミクのスカートで拭ったらしい。

ミクはそれもティッシュで拭いた。



引き下ろされた下着は足首にくるりと絡まっていた。

いつの間に片足から抜き取られたのだろう。

そんなことをぼんやりと考えつつ下着をはき直した。

剥ぎ取られたブラジャーを直そうとしたところで、ホックがひとつ壊されていることに気がついた。



初音ミクSS「君の心は、そこにある」七月二十七日[10]へ

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