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2015年4月の読書まとめ

2015年4月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:5114ページ
ナイス数:108ナイス

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)感想
理系出身の身としては、ファインマンといえば神にも等しい大物理学者だ。そんな彼が著したエッセイとなればどれほど素晴らしい物理学世界が垣間見られるのかと期待してみれば、それは良くも悪くも盛大に裏切られる。卓越した頭脳と、子供のように無邪気なイタズラ心が日常をキラキラに彩っている。特に金庫破りと手紙の検閲のやり取りは爆笑ものだ!さて下巻ではどんなイタズラを見せてくれるやら。
読了日:4月2日 著者:リチャードP.ファインマン
ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)感想
上巻ではファインマンの茶目っ気たっぷりのイタズラがとても面白かったが、下巻ではどちらかというと彼の多才ぶりが前面に出てきた感じ。ただこちらでも共通してるのは、彼がとても人懐っこくて、誰とでもすぐに仲良くなり、面白いものとみなせば自分自身でそれを体験し、研究せねばいられないという好奇心の塊であることを示すエピソードだらけということだ。その好奇心があるからこそ、こんなに素敵な逸話がたくさん生まれたのだなあ、と少し感慨にふけってしまう。
読了日:4月4日 著者:リチャードP.ファインマン
特装版 艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!5 (ファミ通文庫)特装版 艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!5 (ファミ通文庫)感想
今回は我らが第十四駆逐隊そのものの危機。これまでは駆逐隊が危機に瀕する仲間を助ける展開だったが、今回の彼女らは助けられる側として奮闘する。なけなしの装備に、助けられるための戦略と、自分たちだけで逃げられるようにするための最低限の戦術。そこへやってくるのは、これまで彼女たちが助け、手を差し伸べ、互いに切磋琢磨してきた勇猛果敢を体現する駆逐艦の仲間たち。まったく王道をひた走る展開に安心して読める名シリーズだ。最終巻まであと二巻、最後まで付き合わせていただきたい。
読了日:4月4日 著者:築地俊彦
42.195kmの科学  マラソン「つま先着地」vs「かかと着地」 (角川oneテーマ21)42.195kmの科学 マラソン「つま先着地」vs「かかと着地」 (角川oneテーマ21)感想
マラソンという過酷な競技に人生をかける選手たちと、そんな彼らの体の秘密に迫った一冊。2000年以降台頭してきて他の追随を許さぬ東アフリカ勢の選手の強さは、地理的環境だけでなく、経済環境や文化的な視点でも日本とは比較にならない重要さを持ってるが故のものなのだろう。フルマラソンで2時間を切るまでにまだもう少しかかるかもしれないが、ぜひそのニュースをこの目で見てみたいものだ。
読了日:4月5日 著者:NHKスペシャル取材班
空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)感想
胸糞が悪くなる。それが本書中盤を読み進めてる時の偽らざる感想だった。しかしそれが終盤になってどうだろう。あれよあれよと風向きが変わり、いっきに爽快な展開を予感させる流れへと変貌していく!スナイダーブレイクは自著の中で、基本的な脚本術として次のような格言を残している。「悪役は徹底的に悪く!」本書に出てくる悪役はまったく救いようがないほどに腐りきっている。だからこそ終盤でのカタルシスはたまらない!早く下巻を読み進めよう。
読了日:4月7日 著者:池井戸潤
空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)感想
これは紛れも無い徹夜小説。ちょっと読み進めるだけのつもりがいつの間にか深夜まで読んでしまった。上巻でひたすら憎たらしく読者の憎悪を煽り続けていたキャラクターたちはみな例外なく相応の懲罰を受け、誠実な行動を取り続けてた人たちはちゃんと報われる。池井戸氏の小説は終わり方がとても清々しい!安心して読めるから大好きさ。
読了日:4月8日 著者:池井戸潤
さよならを待つふたりのために (STAMP BOOKS)さよならを待つふたりのために (STAMP BOOKS)感想
「16歳でガンで死ぬより最悪なことはこの世でたったひとつ。ガンで死ぬ子どもを持つことだ」冒頭で語られる、この悲しすぎる言葉こそ本書を貫くテーマの一つだ。自分が死ぬことで、自分を皆が忘れてしまう、そのことが何より恐ろしいと語る少年と、冒頭の言葉を投げかけてくる少女。対照的な二人が出会い、恋をする。彼らは常に死と隣り合わせの生活を送る中で、少しずつ想いを交換し、ユーモラスに確かめ合う。十代の若者の当たり前の感覚を、瑞々しい感性で描き切った傑作だ。
読了日:4月12日 著者:ジョン・グリーン
日本の歴史 本当は何がすごいのか日本の歴史 本当は何がすごいのか感想
日本の歴史、とりわけ文化史とでも呼ぶべき部分を紹介した本。本書の特徴は日本という国の素晴らしさを読者に説いていくことだが、自分にとっては、少し日本を美化し過ぎかなぁとも思う。縄文土器の文様の意味を深読みし過ぎだし、太平洋戦争突入のきっかけも、アメリカのハルノートの悪どさを強調するだけで、当時の満州陸軍の独走や、海軍の外務省無視の交渉を重ねたことでイギリスからの信頼を失ったことが書かれてない。これはアンフェアだし、この本に書かれたことをそのまま鵜呑みにするのは危険だと感じた。
読了日:4月16日 著者:田中英道
日本人が世界に誇れる33のこと日本人が世界に誇れる33のこと感想
日本に住む元アメリカ人女性から見た、日本人文化の素晴らしさを堂々と語った本。本書で語られている日本人の謙遜の美学や恥の文化、黙して語らずや空気を読むといった一種独特な文化に最初こそ面食らったものの、これこそが日本人の日本人たる素晴らしい文化であり、世界に誇るべきマナー・考え方だと力説されている。ここまで日本人という民族を持ち上げてくれるのは嬉しいが、肝心の日本という国の制度や行政、政府やマスコミの倫理観について一切語られていないところに、暗に含むところがありそうでアンニュイな気分になった。
読了日:4月17日 著者:ルース・ジャーマン・白石
ニッポンの大問題 池上流・情報分析のヒント44 (文春新書)ニッポンの大問題 池上流・情報分析のヒント44 (文春新書)感想
相変わらず池上氏の本は読みやすくて面白い。ただ教育に関してのコメントは不可解だった。「歴史は歴史家に言を譲り、政治家は現在でものを語れ」という部分。これは従軍慰安婦と歴史教科書の関連ででてきた言葉だが、安部総理が目指す教育の大方針は戦後レジームからの脱却だ。戦後長らく反日的な教育に毒されてきた教育現場に穴を穿つことが目的だ。これを短絡的に従軍慰安婦問題と絡めてしまうことに著者の良識を疑ってしまう。と批判的に書いたものの、その他の部分は相変わらずの分かりやすさだったのでオススメ。
読了日:4月18日 著者:池上彰
甘城ブリリアントパーク (6) (富士見ファンタジア文庫)甘城ブリリアントパーク (6) (富士見ファンタジア文庫)感想
今回も面白かった!これまでの短編集めいた構成とは異なり、可児江主体の長編構成だが、一巻の時のような胃がキリキリする展開はやっぱり面白くて最高だ!人間関係にも一石が投じられたし、今後の展開が凄く楽しみ。また短編集の巻が続くかもだけど、これはこれで面白いので作者にはぜひ頑張ってもらいたい。
読了日:4月19日 著者:賀東招二
池上彰の「日本の教育」がよくわかる本 (PHP文庫)池上彰の「日本の教育」がよくわかる本 (PHP文庫)感想
聖徳太子は実在しなかったとか、鎌倉幕府の成立年が変わってるなど、そういった「教える内容」の変遷をまとめた本かと思って購入したのだが、実際は教育という制度と体制、歴史とそれらが抱える問題について解説された本だった。なので期待していた内容とはまったく違っていたためあまり興味を持つことができなかったが、それでも日教組のなりたちや教育委員会という組織の形骸化問題について知ることができたのは収穫か。
読了日:4月22日 著者:池上彰
コップクラフト (ガガガ文庫)コップクラフト (ガガガ文庫)感想
再読。大まかなあらすじだけ覚えてはいたものの、5年以上前に一度読んだきりだったため新鮮な気持ちで読み返せた。渋いおっさん&美少女ペアの物語スキーな自分的にはこのシリーズこそ素晴らしい傑作の一つと確信してる。ちなみにこれに並ぶ傑作はスワロウテイル。あちらも考えたら刑事&美少女だったな、そういえば。
読了日:4月24日 著者:賀東招二
コップクラフト2 (ガガガ文庫)コップクラフト2 (ガガガ文庫)感想
再読。やはりこの作品は面白い。これも何年か前に読んだきりだったが、あのカーチェイスシーンの迫力だけは鮮明に覚えてて、再読した今回もまた興奮に当てられてしまった。ティラナが少しずつデレ始めるのも本作からなので、今後の二人の関係をちょっとずつ楽しんでいこう。
読了日:4月26日 著者:賀東招二
コップクラフト 3 (ガガガ文庫)コップクラフト 3 (ガガガ文庫)感想
再読。大まかなあらすじは覚えてたのに、やはり読後感の悪さはどうしようもない。どうしようもないやつは生きながらえ、本当の意味で救われるべきだった人物はみな死んでしまう。この三巻の結末のせいで本作は暗い話、みたいな印象を強く持ってしまっていたが、さてさて四巻ではどうなることやら。四巻だけは未読なので、これから楽しみ。
読了日:4月26日 著者:賀東招二
コップクラフト 4 (ガガガ文庫)コップクラフト 4 (ガガガ文庫)感想
四巻を読むのは初めて。まさか人格の入れ替わり事件で盛り上げるとは。なんか事件の主題が甘ブリっぽくなってきてるのが気になるけど、まあこんな雰囲気のコップクラフトもありかしら?こういう空気は甘ブリに任せて、こちらはもう少しシリアスでハードボイルドな空気で進んで欲しいと感じるのはファンの傲慢か。セシルやトニーのイラストを拝めたのも嬉しかった。後はファンキー牧師のイラスト解禁のみが待ち遠しい。
読了日:4月26日 著者:賀東招二
日本はこうして世界から信頼される国となった〜わが子へ伝えたい11の歴史日本はこうして世界から信頼される国となった〜わが子へ伝えたい11の歴史感想
これまで何冊か日本自慢史観に基づく本を読んできたけど、本書こそその中でもっとも優れた一冊だった。なぜ日本は戦争に踏み切ったのか、当時の世界情勢はどうなっていたのか、などの解説がとてもわかりやすい。ただ思想的には、本書を読むだけでは戦争観に対する思い上がりをうむおそれがあるため、本書と合わせて池上彰氏の現代史を読むとバランスが良いように思う。池上氏は良く言えば客観的、悪く言うとドライなので、もう少し引いた目で太平洋戦争の事情を解説してくれてる。
読了日:4月28日 著者:佐藤芳直

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