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2015年5月の読書履歴

2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3273ページ
ナイス数:95ナイス

マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで (幻冬舎新書)マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで (幻冬舎新書)感想
マネーロンダリングと聞いて真っ先に浮かぶのは「麻薬など犯罪で得た収益を如何に当たり障りのない収益であるかのように見せかけるか」という技術だが、実際は「富裕層が自身の資産を税金から逃す」技術という側面もある。筆者によれば両者は目的が違うだけで手段は同じものが使えるようだが、金融技術に疎い自分はそれらをなかなか理解できなかったのが残念。特に本書前半の技術はかなり高度で理解が困難だった。
読了日:5月3日 著者:橘玲
この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」 池上彰教授の東工大講義この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」 池上彰教授の東工大講義感想
池上氏の東工大リベラルアーツ本。今回も大学講義の内容をもとにしているため、内容は問題点や重要なポイントをさらうだけの概要といった趣が強い。日教組関連については日本の教育の大問題という書の方が詳しいし、戦後の問題についても「そうだったのか!」シリーズがわかりやすい。本書はやはりこれらの概要を掴み、興味を持つための入り口として読むのがいいかも。そう割り切ると素晴らしい良書と思う。
読了日:5月7日 著者:池上彰
ソープランドでボーイをしていましたソープランドでボーイをしていました感想
こういう下世話な裏社会的な話が大好きな自分としては、今回の本も大変興味深く読ませていただきました。毎日午前11時から夜の12時半まで働き、その後食事、風呂、洗濯とすれば眠れるのは朝の四時ころ。そして11時になったらまた出勤して……と繰り返す毎日。これで休日は月に3日しかないという激務。名前からは想像できない過酷な勤務内容は読んでて同情してしまう。しかし最後の筆者の「体一つあればこれだけ稼げる仕事があることを知ってほしい」という一言はどこまでもポジティブで元気付けられる。
読了日:5月7日 著者:玉井次郎
宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)感想
天体と宇宙への探求に関する歴史を追った良書。古代ギリシャ時代から20世紀初頭に至るまで、人類がどのようにして宇宙の謎に挑んできたかが詳らかにされている。特に好感がもてるのは、ただ正しい答えを導くのではなく、どのようにして人類が間違えてきたのか、その間違えた知識や常識を学者たちはどのようにして是正してきたのかまで詳しく解説されてる点だ。天動説から地動説への決定的なシフトはニュートンによってもたらされたと考えていたのだが、実際はガリレオやケプラーの観測結果が大きく寄与していたのは知らなかった。良書です。
読了日:5月11日 著者:サイモンシン
宇宙創成〈下〉 (新潮文庫)宇宙創成〈下〉 (新潮文庫)感想
素晴らしい。本書の形容はその一言に尽きる。宇宙はどうやって始まったのかという大難問に対し、核子と電子のスープから始まったとするビッグバンモデルと、宇宙の膨張に伴って新しい核子が生成されるとする定常モデルの熾烈な激論が繰り広げられる。現代に住む私たちはビッグバン説が有力であることを知識として知ってるが、当時の学者たちがどのような理論と観測と証拠でビッグバンモデルを選択したのか、その論争はむしろ戦争と呼ぶに相応しい!本当に面白い科学史本でした。超オススメ。
読了日:5月15日 著者:サイモンシン
僕は小説が書けない僕は小説が書けない感想
清々しい青春小説。まさに白乙一、もとい、中田永一の真骨頂とでも言うべき甘酸っぱさが満載の一冊。読みながらにまにましてくること確実だ。と、ここまで書いてから気づいたのだが、これは中田永一だけでなく中村航との合作という。しかも2人で交互に書き進めたとか。マジっすか。この辺の制作秘話とかもぜひ知りたいなあ。
読了日:5月19日 著者:中村航,中田永一
不変量と対称性: 現代数学のこころ (ちくま学芸文庫)不変量と対称性: 現代数学のこころ (ちくま学芸文庫)感想
大変興味深い内容が目白押し。15パズルで解ける配置と解けない配置の違いは何か?それをどのように見分けるのか?また合わせ鏡にしたときに出てくる像の法則や、結び目に現れる意外すぎる対称性など、興味は尽きない。だがもっとも新鮮だったのが第7章だ。q分三角形が自分自身の相似形になるのはどのようなqのときか、という問題にモジュライ空間を使って解明するのだが、それが鮮やかでダイナミックで美しく、しかも導かれるのは意外な結論と、本当に驚かせてくれる。数学好きの方にぜひ読んでいただきたい良書。
読了日:5月22日 著者:今井淳,中村博昭,寺尾宏明
知らないと恥をかく世界の大問題 (6) 21世紀の曲がり角。世界はどこへ向かうのか? (角川新書)知らないと恥をかく世界の大問題 (6) 21世紀の曲がり角。世界はどこへ向かうのか? (角川新書)感想
池上氏の論調が変わってきたことを実感できる一冊。これまでは民主党の失敗や中国、韓国に対する発言は極力セーブされていたか、本書ではかなり公平な立場での発言が見て取れる。おそらくこれまではテレビでの露出が自身の本の売り上げに大きく影響していたためテレビ局の意向に従わざるを得なかったけど、もはやテレビに頼らずとも本の執筆で充分食っていけるようになったために持論を展開できるようになったのかな、と推察。冷静な視点で現代の諸問題を見直せる良書。
読了日:5月23日 著者:
オイレンシュピーゲル 参 Blue Murder (3) (角川スニーカー文庫 200-3)オイレンシュピーゲル 参 Blue Murder (3) (角川スニーカー文庫 200-3)感想
テスタメントが発売されたので久々に再読。ほとんど内容を忘れていたのでめちゃくちゃ新鮮な気分で読み終えられました。そして確信するのは、やはりこのシリーズは最高に面白いのだという事実。乙女な陽炎にツンデレな涼月、そして過去の記憶を一部取り戻してしまったが故に悲しみの底に暮れる夕霧。三巻は四巻への布石という側面が強い巻でしたが、とにかく聖週間の事件を紐解くためにもスプライト三巻を読まなければ!じかんがこれほど待ち遠しい小説というのは本当に珍しい。最高のエンタメ小説。
読了日:5月25日 著者:冲方丁
スプライトシュピーゲル III いかづちの日と自由の朝 (3) (富士見ファンタジア文庫 136-10)スプライトシュピーゲル III いかづちの日と自由の朝 (3) (富士見ファンタジア文庫 136-10)感想
息をのむ展開!思わず叫びたくなる怒涛の展開!再読なので全体のざっくりした物語構成は知ってるはずなのに、それでも数年ぶりに読む本作のストーリーにはただただ感嘆するしかない!ジェットコースターのように次々と戦況が変わり、悪化することはあっても好転することはついぞなく、絶望と失意だけが漂う中で、我らが要撃小隊だけは喜びにも似た絆の強さだけを胸に、最後の飛翔を実行する。その気高さたるや涙が次々と溢れてくるほどだ。本当に凄い小説!まったき良書であることを再確認した!
読了日:5月28日 著者:冲方丁
オイレンシュピーゲル肆  Wag The Dog (角川スニーカー文庫)オイレンシュピーゲル肆 Wag The Dog (角川スニーカー文庫)感想
数年ぶりの再読。言葉にならないこの面白さ。これまでも小隊を襲う危機はいくつもあったけど、今回のそれは特大級。敵は自分たちよりも強大な装備を誇り、援軍はなく、一般市民を守りながら、なぜ守らねばならないのかわからぬものを必死で守らねばならない矛盾と戦う。それでも小隊長であり主人公の涼月は、生来の底なしのガッツと闘志で絶望的な戦いに身を投じる!これぞ極上のエンターテインメント小説だ。
読了日:5月31日 著者:冲方丁

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